反出生主義

反出生主義

慈恵病院の取り組みについて

熊本市の慈恵病院は、「こうのとりのゆりかご」の施設として有名である。「赤ちゃんポスト」という馬鹿げた呼称を誰が始めたかは定かではないが、慈恵病院にあるのは「赤ちゃんポスト」ではなく「こうのとりのゆりかご」である。知らない人はいないと思うが、...
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出産の罪について②

日本に限らずほとんどの国において出産は自由であり、犯罪とされることはない1。だから、人身売買のために出産しようとも、性的虐待をするために出産しようとも、出産そのものについて処罰されることはない。 これを、殺人行為と比較して考えてみよう。殺人...
反出生主義

出産の罪について①

これまでのブログを読んでくれた方は、反出生主義者は出産を罪と考えている1ことが理解できるだろう。生まれなければデメリットはなかったのに、生まれたせいでデメリットを与えられることになるのであるから。だから、「誰のおかげで飯が食えると思っている...
反出生主義

生まれないことと、死ぬことの違い

反出生主義の話をすると、物を考えていない人間はすぐに、「じゃあ早く死んだら?」などと言う。物を考えている人間からするとこの発言は、「おなかが空いた」「じゃあ漂白剤入れ替えたら?」という会話と同じくらい、まったく意味をなしていない発言であるこ...
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生まれることと生まれないことの非対称性について

生まれなければ苦しみはない。これは間違いない。 生まれなければ幸福はない。これも間違いない。 このことからすると、生まれないことにはメリットもデメリットもあるのだから、生まれない方が良い、とは言い切れないようにも見える。 ではあなたに聞くが...
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産むことの否定への反論とそれに対する反論②

産むことが否定された場合に考えられる他の反論としては、社会を維持することができなくなる、というものが有力だろう。ちなみに、「ひいては人類が滅亡するなんてとんでもない」という意見も当然に想定されるが、人類が滅亡してはいけないとする正当な理由な...
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産むことの否定への反論とそれに対する反論①

産むことが否定された場合に、真っ先に想定される反論としては、「産みたい人間の権利を侵害する」というものだろう。私は反出生主義の基礎的な考え方として、「自分がされて嫌なことを他人にしない」という倫理があると述べたが、先の反論は「自分が人1に対...
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反出生主義は、生まれたくなかった人にしか関係のない話なのか

前回、反出生主義の概要について述べたが、「生まれたくなかった」と思っている人が、自分と同じ思いをさせないために「子を産むべきではない」と考えることはなんとなく理解できただろう。では、それは幸せに生きてきた人には関係のない話なのだろうか。 私...
反出生主義

反出生主義とは何か

反出生主義とは、「人間が生まれてくることや、人間を生み出すことを否定する思想1」をいう。 死にたい、とか、自分なんて生まれてこなければ良かった、などと思ったことがある人は少なからずいるだろう。それはあくまで自分についての話に過ぎないが、反出...